
BPOとアウトソーシングの違いは?3つの契約形態や企業選定のポイント・注意点徹底解説!
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BPOやアウトソーシング、そしてBTOという言葉を聞いたことはあるけど、いまいち違いがわからないという方は多いかと思います。違いをおさえて初めて、自社のニーズにマッチした契約形態で業者選定、そして実際の運用をスムーズに回すことができます。
本記事では、BPOとアウトソーシングの違いについて解説します。加えて、BPO企業を選定する際のポイントや導入するときの注意点についても解説します。
読み終えたときには、BPOとアウトソーシングとの違いがわかり、BPOを導入するための判断基準が明確になるでしょう。
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BPOとアウトソーシングの違いは?

BPOとアウトソーシングとの大きな違いは業務範囲と期間です。BPOでは、業務の洗い出しや設計、成果の評価や改善など全ての過程を長い期間をかけて業務委託することをいいます。一方、アウトソーシングは、一連の業務フォローの中から一部の業務を切り取って、比較的短い期間で委託することを指します。
つまり、BPOの方が、より長期でのコミットメントとアライアンス(連携)を念頭に置いた関係になるのが通常です。
BPOを導入する場合、外部業者と設計段階から業務フローを作り上げるため、完全に外部に委託できます。アウトソーシングの導入は、繁忙期などで一時的に工数が高くなることが予想される場合に活用されることが多いです。
BPOとBTOの違いは?
BPOと似ているサービスにBTOというものがあります。BTO(Business Transformation Outsourcingの略)は企業が新規事業に挑戦したり、既存の業務フローを改善したりなどの活動を支援するサービスです。
たとえば、昨今の企業では迅速かつ柔軟な対応が求められるため、コア業務に専念するために外部業者が新しいビジネスモデルを集中的に設計し、実装するための支援をします。これまで紙媒体で手続きしていた業務に対して、オンラインで手続きを行うためのシステムの導入を行うのを支援するといったケースも可能です。
ですから、BTOはBPOより、さらに深く企業に関わり、成果を実現するために活動のことを指します。
BPOの契約形態3種類について

BPOの業務委託の契約形態には以下の3種類があります。
- 請負契約
- 委任契約
- 準委任契約
契約形態によって性質が異なります。それぞれの契約の違いと特徴について詳しく解説します。
請負契約
請負契約は、ある特定の成果を完成させることを目的とする契約です。請負人(業者)は、依頼者から指示された成果物の提供を約束します。
請負契約の特徴は、依頼された成果が完成するまで、業者が自由に作業方法を選べることです。例えば、建築工事を請け負う場合、建物が完成することが求められ、工事の進行方法や細部については請負人が決定します。報酬は成果物が完成した後に支払われることが一般的です。
BPOにおいては、仕事の性質や目的によって特に具体的な成果を求める場合に選ばれます。例えば、システム開発などの成果物が明確な業務は請負契約が使われることが多いです。
委任契約
委任契約は、依頼者が他の人に自分の代わりに特定の法律行為を行ってもらう契約です。ここで重要なのは「行為の遂行」であり、その結果ではありません。
たとえば、弁護士に法的な代理行為を依頼する場合、弁護士は依頼者の代理として最善を尽くしますが、その結果(例えば裁判の勝訴や敗訴)を保証するものではありません。委任契約では、報酬を前提として行われることが多いです。
BPOにおいては、専門的な知識や技能を必要とする行為を代行してもらいたい場合に選ばれます。
準委任契約
準委任契約は委任契約に似ていますが、法律行為以外の一般的な行為を委任するのが大きな違いです。準委任契約では、委任契約のような特定の法律行為は含まれません。
委任をされた側は作業過程に責任を持ち、善意のある管理者として業務を行い、作業期間が終了すると契約終了となります。最終成果物に責任を持つのは、発注側(委託元)です。
オフィスで発生する業務のほとんどは一般的な事務処理ですので、実際のBPO取引においては準委任契約の方が最も広く用いられている契約でしょう。コンサルタント業務や保守といった成果を明示しにくい業務も準委任契約を結ぶことが多いです。
BPO企業の選定ポイントは6つ

BPO企業を選定する際は、以下の6つのBPO企業を選ぶポイントについて確認する必要があります。
- 事業規模
- 価格
- 実績
- 専門性
- 業務量
- セキュリティ
これらのポイントを押さえることで、自社にニーズに合ったBPO企業を選ぶことができます。
事業規模
大規模なBPO企業は豊富なリソースを持ち、広範囲にわたる多様なニーズに対応する能力があります。大きなプロジェクトや複数の業務を一括で委託する際に適しています。
一方で、小規模なBPO企業は、比較的柔軟性が高く、特定のニッチな分野に特化したサービスを提供することが多いため、特定の専門技術や個別のカスタマイズが必要なプロジェクトに強みを持っています。
それぞれの規模の業者が持つ利点を理解し、自社の具体的なニーズや戦略に合わせて最適なBPOパートナーを選定することが、業務アウトソーシングの成功につながります。この選択においては、業者が過去に手掛けたプロジェクトの種類や規模、そして顧客からの評価なども参考にすると良いでしょう。
価格
価格設定はそのサービスの質や範囲、サポートのレベルを反映しているため、単に安価な業者を選ぶのではなく、コストとサービスのバランスを考慮する必要があります。低価格が必ずしも総合的なコスト効率を意味するわけではなく、時にはサービスの質が犠牲になることもあるからです。
例えば、安価な業者が提供するサービスが不十分で、結果的に追加の修正やサポートが必要になり、トータルのコストが予想以上に増大するケースがあります。
したがって、価格評価の際には、初期費用だけでなく、継続的な運用コストや将来的なROI(投資利益率)も検討することが重要です。価格を評価する際には、表面的な数字に惑わされず、提供されるサービスの全体的な価値を理解することが求められます。
実績
BPO企業の実績を評価することは極めて重要です。ポイントとしては、業者が過去にどのようなプロジェクトを成功させてきたか、その経験が自社のプロジェクトにどう活かされるかが評価の基準になります。
なぜなら、確かな実績があるBPO業者は、類似の課題に対して高い専門性と解決策を提供できる可能性が高いからです。たとえば、ある業者が金融業界向けに効果的なコスト削減策やプロセス改善を実施してきた実績がある場合、その業者は同業界の類似課題に対応する際に信頼できる選択肢となります。
したがって、選定過程で業者の具体的な実績を詳しく調査し、それが自社のニーズに合致するかを確認することが推奨されます。選定される業者が自社の目指す目標達成に貢献できるかどうかをよりよく判断しなければなりません。
専門性
BPO企業の専門性は、自社の特定のニーズにどれだけ効果的に応えることができるかを示す重要な指標です。ここでのポイントは、企業が特定の業界やプロセスに対する深い理解と経験を有しているかどうかです。なぜなら、専門的な知識を持つ企業は、その分野の課題をより効率的かつ効果的に解決できるからです。
たとえば、医療業界のBPO企業が医療規制の複雑さや患者データの取り扱いに精通している場合、その企業は医療関連のアウトソーシングでより適切なサービスを提供できるでしょう。そのため、BPO企業を選定する際には、提供する専門的なサービスと、自社のニーズとの整合性を詳細に調査し、確認することが推奨されます。
業務量
BPO企業選定において、業務量の考慮のうちの1つです。取り扱える業務量が自社の要求に応える十分なキャパシティを持っているかが鍵となります。理由は、適切な業務量の処理能力を有する企業を選択することで、プロジェクトの効率と生産性が最大化されるためです。
たとえば、大量のデータエントリーや顧客対応を必要とするプロジェクトに対して、十分なリソースとスタッフを持つ企業を選択する必要があります。そうすることで、過負荷や品質の低下を避け、期限内に高品質な成果を得ることが可能となります。
したがって、BPO企業を選定する際には、実際にどれだけの業務量を効率的に処理できるかを確認し、自社のプロジェクトの規模と照らし合わせて評価することが推奨されます。プロジェクトのニーズに最も合致した業者を選択できて、業務の遂行におけるリスクを最小限に抑えることが可能です。
セキュリティ
セキュリティはBPO企業選定の際に極めて重要な要素です。情報セキュリティ管理体制が、自社のデータ保護基準と法規制に適合しているかを確認しましょう。なぜなら、アウトソーシングにおいては機密情報や顧客データが業者に委託されるため、これらの情報が適切に保護されることが絶対条件であるからです。
例えば、国際的な情報セキュリティ基準であるISO/IEC 27001などの認証を取得しているかどうかは、その業者のセキュリティ管理が一定の基準を満たしている証とされます。したがって、BPO企業を選定する際には、そのセキュリティポリシーと実施している対策の詳細を確認し、自社のセキュリティ要件に合致しているかを慎重に評価しなければなりません。
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BPO企業選定の注意点:実態をよく確認する

BPO企業の選定について注目したい注意点は、実態をよく確認することです。あるスキルに特化した人材を扱うことを特徴として紹介しているBPO企業の場合、そのスキルを有する人材がどういったバックグラウンドがあるかを考える必要があります。
例えば、クラウドワーカーの主婦に特化したBPO企業も多くあります。主婦ならではの隙間時間の活用であったり、繊細なチェックなどメリットはあるでしょう。しかし、子どもの体調不良による急な欠勤や、スキルのバラつきなど、品質において心配な点がいくつか考えられます。
このように、BPO企業の実態についてよく確認しておくことは、品質の担保やより良い成果を生み出すことに繋がります。自社のニーズと依頼するBPO企業の得意とするところについて、深掘りをして照らし合わせていくことが必須です。
まとめ
BPOは業務プロセス全体を長期にわたって外部に委託し、業務の洗い出しから設計、成果の評価や改善まで含まれます。これに対し、アウトソーシングは特定の業務を短期間で外部に委託することを指し、より短期的なニーズに対応します。
また、BPOは企業が業務フローを設計段階から外部業者と共に構築するため、完全に外部委託が可能ですが、アウトソーシングは一時的な工数増加に対応する形で用いられることが多いです。
BPO業者を選定する際には、契約形態が重要で、請負契約、委任契約、準委任契約の違いを理解し、それぞれの特性に応じた選定が必要です。それぞれの契約形態には異なる法的責任が伴うため、事前にそれらの違いを理解しておくことが重要です。
このように、BPOとアウトソーシング、さらにBTOはそれぞれ異なるニーズに応じた業務委託の形態です。適切な業者選定には各業務の特性を理解し、それに最適なサービスを提供できる業者を選ぶことが求められるでしょう。
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