
業務改善とは?業務改善の流れやアイデアを徹底解説!成功した具体例を公開
業務改善は、生産性向上や業務効率化に欠かせないプロセスです。しかし、業務改善がうまく進まない…そんな悩みをお持ちではありませんか?
この記事では、業務改善の目的やメリット、業務改善の進め方、業務改善各プロセスで考えるべきポイントについて解説しています。業務改善を始めるときに何からすべきなのか、気を付けるべきポイントをおさえることで業務改善の進捗スピードが上がります。これから業務改善を始める方や、現在の改善活動に行き詰まりを感じている方は、ぜひ参考にしてください。
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業務改善とは

「業務改善」とは、業務上発生している作業から問題点を見つけ出して解決することを意味します。ではなぜ、業務改善が必要なのでしょうか。それは、問題を改善すると業務が効率化され、生産性の向上や会社の利益増加に貢献できるからです。
業務改善の8原則とは

会社の利益増加に貢献できるのならば、業務改善を積極的に行うべきです。業務改善に取り組むときに考える視点として「業務改善の8原則」があります。
以下で、各原則について詳しく見ていきましょう。
「廃止」の原則
まずは、現状行っている業務を廃止できるのかどうかを考えましょう。ムダな業務を減らすことで業務改善を図ります。
廃止することに抵抗が残る場合もありますが、「本当に必要なのか」「効果がどのくらい出るのか」などを基準に判断しましょう。
「削減」の原則
次に業務内容を減らす・少なくすることを考えましょう。例えば、「毎日行っている業務の頻度を減らせないのか」「記入する項目を減らして簡単に管理できないのか」など、働き手の負担を減らす目線も時には必要です。
「容易化」の原則
作業をより簡単に簡素にできないかを考えましょう。今一度、普段行っている業務が「複雑なルールになっていないか」「検索してすぐに解決できるのか」などを検討しましょう。
早く処理して業務スピードをアップできるように、容易化できる業務環境に整えていきましょう。
「標準化」の原則
業務の手順が決まっているのか確認しましょう。人によって完成度に差が生じている場合、標準化できていないと考えられます。
担当者が変わっても同じミスが頻発していないかを見つけ出しましょう。手順が決まっていれば、業務のやり直しをなくし誰でも同じ時間で作業できます。
「計画化」の原則
業務を計画的に進められているのかを考えましょう。例えば、「途中で内容の不足が見つかり、確認や調べる作業が追加されていた」という事象はないでしょうか?
短時間でこなせる計画になっているのかを客観的に見てみましょう。
「分業分担」の原則
分業することで効率化できないかを考えましょう。1人に任せている業務量を複数で分担することで、業務量の負担を減らします。または、メインの担当者を変更し適正に合う業務を振ることで、業務の適正化を図りましょう。
「同期化」の原則
標準化した業務をさらに効率化できないか考えます。業務をまとめてできないか、手待ちが発生していないかを確認して、並行して業務を進め効率化できないか考えましょう。
「機械化」の原則
これまで人間の手で行ってきた業務を機械化できないかを考えます。簡単な作業に時間がかかっていないか、機械に置き換えられるかを考えましょう。
機械化によって人件費の削減、生産性の高い業務に集中できるようにして会社の利益に貢献できるようにします。
業務改善の進め方ステップバイステップ

業務改善は、企業の生産性向上や効率化に欠かせないプロセスです。本記事では、業務改善に取り組む際の流れを詳しく解説します。
実施目的の共有
業務改善に携わる方と目的を共有し、必ずゴールの設定を行いましょう。初めに目的を定めておくことで、改善への方向性を決め、ブレないようにします。
関係者への聞き取り
業務をしている方に聞き取りを行い、現状の問題点を洗い出します。机上の空論ではなく、実際の業務に即した改善策を考えるためには、現場の意見を聴くことが不可欠です。
聞き取りでは、以下を詳しく確認しましょう。
- 業務内容
- 担当者
- 業務にかかわる人とその役割
- かかる時間や手順
課題整理、方針策定
聞き取り内容を基に改善へ向けて情報を整理します。聞き取りで把握できた顕在化している問題点だけでなく、問題点を引き起こしている根本的な原因を突き止め解決できるように取り組みましょう。
業務改善の8原則を順に取り組むと、作業の無駄なく網羅的に考えられるのでおすすめです。
仕事の見える化をする
業務改善の第一歩は、仕事の「見える化」です。業務全体と各担当者の作業内容を可視化することで、付随する作業や部署間の連携が明らかになります。
担当者が変わっても業務ができ、標準化した作業手順になるよう細かいところまで担当者のクセも把握すると今後の改善に役立ちます。
優先順位をつけ改善計画を立てる
見える化によって浮き彫りになった改善点に優先順位をつけ、効果が高く、従業員の負担軽減につながる施策から着手します。改善計画を立てる際は、改善後の作業イメージを入念にシミュレーションし、5W1H(What、When、Where、Who、Why、How)を意識して、期限内で実現可能な計画を立てることが肝要です。
改善のマニュアルを作成
業務改善が進んだら、標準化するためにマニュアルを作成しましょう。担当者が変更になっても部署の連携や業務の停滞が起こらないように、分かりやすく誰がいつでも手に取れる場所に保管することが大切です。
改善の振り返り
マニュアル作成後に問題点が発生したら、再度業務改善を行う必要があります。PDCAサイクルを回して継続的に改善を重ねることが大切です。これまでの改善内容を基にさらにブラッシュアップし、よりよくしていきましょう。
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業務改善の具体策アイデア8選

以下では、具体的に改善を進めていくうえでの手段について紹介します。実際の企業での業務改善事例についてこちらの記事で解説しています。
業務自体をなくす・減らす
業務改善の8原則の1つの業務廃止と削減にあたります。業務軽減のために最初に考えるべき案ですが、安易に業務廃止や削減を考えすぎると他部署との連携が上手くいきません。
関連部署への影響を考慮し、上司や関係者と十分に協議しながら慎重に進めましょう。
マニュアル化
マニュアルを整備して業務を標準化することで、いつ誰がやっても一定の成果を上げられます。マニュアルがあれば、急な担当者の交代や欠勤にも対応しやすくなり、業務の停滞を防げます。
業務フローの可視化とあわせて、誰でも理解しやすいマニュアルを作成しましょう。
ペーパーレス化
紙の資料を減らし、電子データを活用することで、印刷や配布にかかる時間と手間を大幅に削減できます。例えば、以下の施策で印刷や管理の工数を削減できます。
- 会議資料をクラウド上で共有
- 申請書類を電子化
業務の効率化も図れて生産性が向上します。
データベースの活用
業務改善をするときに、ゼロから考えるとなかなか良いアイデアが浮かびません。類似事例や先行事例を参考にすることで、業務改善のヒントが得られます。
社内では前例がなくても、世界でこれまでに前例がないことはあまりありませんし、ネットで業界動向や他社事例を検索するとヒントがあることが多いです。改善を進めている問題と類似しているものを探してみると解決の糸口が見つかるでしょう。オープンイノベーションの手法を取り入れ、外部の知見を積極的に活用していきましょう。
適材適所の人員配置
業務の属人化や長期間の担当固定化は、改善を阻害する要因になります。長い期間担当を変えずにいると、変更することに抵抗を感じるかもしれません。
実は苦手な業務だったということもありますので、適材適所の人員配置を心がけ、定期的にローテーションを実施することで新しい視点や発想を取り入れられます。従業員のスキルや適性を把握し、柔軟な業務分担を検討しましょう。
業務分割と自動化
一連の業務プロセスを細分化し、分業化することで、効率的な作業が可能になります。一連の業務を1日でこなせることもあれば、忙しい時期では1日で完了できず、期日に間に合わせるために残業が発生することもあるでしょう。
担当者同士で連携を取って業務を分割して担当、固定化されている業務なら自動化することも検討の価値があります。定型的な業務はRPAやAIを活用して自動化することで、人的負荷を大幅に軽減できます。業務フローを分析し、自動化の可能性を探っていきましょう。
アウトソーシング
社内リソースだけでは対応しきれない業務は、外部委託を検討することも一案です。費用がかかりますが、委託することで享受できるメリットを考えることで要望が通る可能性が高まります。
専門性の高い業務や、社内で対応するよりもコストメリットのある業務は、アウトソーシングを活用することで業務の最適化を図れます。ただし、委託コストとのバランスを考慮し、慎重に判断する必要があります。
アウトソーシングとは?どのような手順で導入する?こちらの記事で解説していますので併せてごらんください。
リモートワーク(テレワーク)の活用
テレワークやWeb会議の活用は、働き方の多様性を高め、業務効率化に寄与します。営業等の移動時間が発生する部署の場合、会社への出勤を減らし営業先での業務を許可することで、勤務時間の隙間時間を有効に活用できるでしょう。
内勤の社員では重要度の低い会議回数を見直すことで、会議時間を他の業務時間に充てられます。定期化されている会議を見直すと目的が不明、形骸化している会議は、頻度を減らせないか打診してみるといいかもしれません。
業務改善のフレームワーク

業務改善を効果的に進めるためには、体系的なアプローチが不可欠です。定型化されたフレームワークを活用することで、業務改善の方向性を明確にし、スムーズに改善活動を開始できます。
ここでは、業務改善で広く利用されている2つのフレームワークを詳しく解説します。
QCD
QCDとは製造業でよく使われるフレームワークで、以下3点に特化して改善を考えるようになっています。
- Q:Quality(品質)
- C:Cost(費用)
- D:Delivery(納期)
QCDの3つの要素はそれぞれ作用しあい、1つを改善しようとすると1つに悪影響を及ぼすことが少なくありません。例えば、良い品質にするために作業工程を見直したときに工程数を増やすと、稼働時間が長くなり納期に余裕がなくなります。
そのため、QCDフレームワークを用いた業務改善では、個別の要素の最適化ではなく、全体最適を目指すことが重要です。改善前と比較して、顧客満足度がどの程度向上したかを総合的に評価し、最適なバランスを追求します。
ECRS(イクルス)
ECRSとは以下の4点の項目から業務改善を進めていく手法です。
- E:Eliminate(排除)
不要な業務内容を排除して、業務効率化を図ります。例えば、重複した作業、必要性の低い書類作成、無意味な会議などを見直し、業務の スリム化を図ります。 - C:Combine(結合)
複数の業務やプロセスを統合し、一連の作業として処理することで、効率化を図ります。例えば、類似した作業をまとめて実施したり、関連する業務を一元化したりすることで、作業時間の短縮やミスの防止につなげます。 - R:Rearrange(交換)
業務の実施順序を見直し、最適な流れに改善することで、生産性の向上を目指します。例えば、ボトルネック工程を先行して処理したり、前後の作業との連携を円滑化したりすることで、全体の作業効率を高めます。 - S:Simplify(簡素化)
複雑な業務を機械の導入や外部ツールを使用することで、業務時間短縮につながります。例えば、定型的な作業をマニュアル化したり、ITツールを活用して自動化したりすることで、人的負荷の軽減と作業時間の短縮を実現します。
ECRSフレームワークを活用することで、業務の無駄を排除し、効率的で質の高い業務プロセスを設計できます。改善活動の過程で、関連部署との連携や情報共有を円滑に行うことも重要です。
また、ECRSの4原則は、業務改善のPDCAサイクルと組み合わせて活用することで、より効果的な改善活動が可能になります。
まとめ
業務改善は会社ごとに問題となる事象が異なるため、全く同じ事象の改善例はいくら検索しても出てこないでしょう。また、会社のルールや風土によってはアプローチ方法を変えなくてはいけないこともあるため、一筋縄ではいかないこともあります。
そのため、業務改善に関わるチーム全員が知恵を出し合い、できる改善から協力して着手していきましょう。
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