
コスト削減とは?アイデア事例・実現方法を徹底解説!
- コスト削減
長期に渡り確実に成長している企業に共通しているのは、徹底したコスト削減意識です。一方、赤字企業に共通しているのも、コスト意識の薄さです。
売上ばかりに目がいってコストの膨張に気付けなければ、いずれ脆弱な企業体質が表面化し、経営が苦しくなっていきます。そのためコスト削減は、いずれの企業にとっても取り組むべき必須課題といってよいでしょう。
この記事では、企業におけるコスト削減について解説します。コスト削減の具体的な種類や削減方法の手順、コスト削減アイデアの事例、さらにコスト削減を実施するうえでの注意点について詳しく解説します。
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コスト削減とは

コストとは、一言でいうと「キャッシュアウト」、つまりお金が出ていくことを意味します。よって「コスト削減」とは、企業経営においてお金の出ていく量を減らすことを意味します。企業利益は、売上からコストを差し引いたものになりますから、コスト削減が進めば業績アップが見込めます。
コスト削減より売上至上主義の方がいい?
コストはそのままでも、売上を伸ばせば良いのではという考え方もあるでしょう。しかし、いつでも売上が増やせるほどビジネスは甘くありません。
仮に売上が100万円で、コストが50万円という場合に、コストを40万円(=コスト40%)にカットできれば、利益は50万円から60万円にアップします。コスト50%のままで同じ利益を上げようと思えば、売上を120万円(コストはこの50%なので60万円になります)、つまり20万円アップさせなければなりません。
現実的には、売上を20万円アップさせるより、コストを10万円ダウンさせる方が楽なケースが少なくありません。
もちろん、売上20万円アップとコスト削減(コスト40%)が同時に実施できれば、120万円−48万円=72万円と、当初の利益50万円から22万円、つまり44%も増益することになるため、さらに大きな効果が見込めるでしょう。このように考えると、コスト削減がいかに経営改善に効果があるかが理解できるのではないでしょうか。
コスト削減の種類

実際にコスト削減を実施するうえで対象となる項目について解説します。詳しくは後述しますが、コスト削減は「1円から」という考え方をもつことが大切です。
1円浮かせたところで、利益に大した差なんて出ないと思われるかもしれませんが、コスト削減成功の鍵を握るといっても過言ではないのです。逆に1円からなら、以下に挙げるコスト削減のいずれもが可能と思えるはずです。
人件費
企業が負担する「人件費」には、以下のようなものがあります。
- 給与
- 各種手当
- 賞与
- 退職金や退職年金の引当金
- 法定福利費(社会保険料や労働保険料の企業負担分)
- 福利厚生費(社員旅行や忘年会・慶弔費など)
- 通勤費
- 社宅の費用や引越し代など
採用コスト
「採用コスト」は以下があります。
- 会社案内用のパンフレット作成費
- 求人サイトなどへの広告費
- 求人動画などコンテンツ作成費
- 会社説明会の案内や開催費用
- 交通費や宿泊費・研修費など
新卒や中途採用にかかるすべての費用が、採用コストとなります。
オフィスコスト
「オフィスコスト」は、オフィスを利用するために必要な以下のコストを意味します。
- 賃料・保証金
- 光熱費・通信費
- パソコン、プリンター、サーバー、デスク、椅子、収納棚といった備品
- ITシステム費用
- 清掃費
経費
上記以外のコストが、「経費」となります。
- 研究開発費
- 設備投資
- 仕入れコスト
- 物流費
- 事務用品・トイレットペーパーなどの消耗品費
- 交際接待費
- 広告宣伝費
- 車両代・燃料費
経費については業種・業態によって中身が異なります。
digsyでは、お客様のコスト削減を実現するアウトソーシングサービスを提供し、お客様を伴走支援しています。コスト削減をお考えなら、お気軽にご相談ください。
コスト削減方法の手順

続いては、コストを削減する手順について解説します。具体的には、以下の手順でコスト削減を行います。
- 現在のコストを確認する
- コスト削減プランを作成する
- 従業員に周知する
それぞれの詳細を解説します。
現在のコストを確認する
まず、全てのコストについて現状を把握するところから始めます。具体的には、損益計算書と関連書類の中から、コストに値する固定費と変動費を項目別にチェックしていきます。一年分ではなく、できれば数年分を用意して各コストの推移を明らかにする方がよいでしょう。
以下の点の支出を細かく追っていきます。
- 「何に」
- 「だれが」
- 「いつ」
- 「いくら」
- 「どのような目的で」
各項目について把握できたら、そこから各部署に疑問点を問い合わせていきます。人事部、総務、研究開発部、資材調達部、生産管理部などに確認作業を行います。
コスト削減プランを作成する
各部署の担当者や社員から現状をヒアリングしたうえでその適正を精査し、以下からなるコスト削減プランを作成します。
- コスト削減の目的
- 目標額
- 期日
- 削減方法
コスト削減は痛みをともなうため、現場の社員からの不満も出やすくなるでしょう。したがって、なぜコスト削減が必要なのかといった目的や意義をしっかりと設定する必要があります。
近年であれば、コロナ禍や国際紛争にともなうサプライチェーンの寸断や変化に起因する物価高がその格好例となるでしょう。資材調達や仕入れ費用、消耗品価格などの高騰について、具体的な金額や時系列の比較指標を示すことで社員の納得が得られやすくなるでしょう。
従業員に周知する
コスト削減プランが決定したら、いよいよ実施段階に移ります。その際には、「何を」「いつ」「だれが」「どのように」「いくら」という形で具体的なコスト削減方法を示すことが肝要です。
ただ「節約しましょう」という目標では、全社員の習慣を変えることは難しいでしょう。それより「コピーはモノクロで両面を使う」とか「退室時にエアコンと電気は消す」など、細かいようでも具体的に呼びかけたり、張り紙にメッセージを書いたりすると1円ずつでもコスト削減が進みます。この積み重ねは後々大きな差となって現れてくるでしょう。
コスト削減アイデアの事例

次にコスト削減アイデアについて具体例を紹介します。
ペーパーレス化
ペーパーレス化が進めば、紙代、印刷費、インク代、収納スペースや整理棚にかかるコストを削減することができます。以下の業務をペーパーレス化できるでしょう。
- 申請や稟議といった社内手続き文書
- 納品書や領収書
- 会議・プレゼン資料
- パンフレットやカタログ
- チラシ・ポスター・ポップなどの販促物
ペーパーレスは、全社員がその気になればすぐにでも着手できる、比較的容易なコスト削減方法です。取引先の理解が必要な項目もあるので、まずが社内のできるところからでもスタートして広げていくとよいでしょう。
テレワークの導入
テレワークを導入すると、以下のように様々な面でコスト削減ができます。
- 通勤費や出張費
- デスクスペースにかかるコスト
- オフィス賃料や光熱費・消耗品費
- 印刷にかかるコスト
- 離職数の低下による採用コストや研修費用
これらのコストがカットできるため、目に見えて効果が現れるでしょう。
消耗品コストの見直し
オフィスや工場などで使用する消耗品コストを見直すと、大幅にコスト削減が進みやすくなります。消耗品には以下が当てはまります。
- 文房具、メモ用紙、帳簿といった事務用品
- トイレットペーパー・洗剤・除菌用品
- 防災・掃除用品
- ガゾリン代
オフィスコストの見直し
オフィスコストも以下のように見直せる点が数多く存在します。
- システムをクラウド化する
- 社内アプリを自作する
- 電話・電気・ガズなどの契約先を変更する
- 照明をLEDに変える
- OS機器のリース条件を見直す
- オフィス賃料や利用している駐車場の見直し
人件費・採用コストの見直し
昨今の超物価高において、給与や賞与のカットは賛同が得にくいでしょう。よって、それ以外の福利厚生や研修費用、チャットボットサービスの導入などから手をつけるとよいかもしれません。また、以下の採用コストの見直しも有効です。
- ダイレクトリクルーティングの導入
- リファラル(社員からの紹介)制度の導入
- 求人広告先の見直し
- 会社説明会や面接のオンライン化
- 成功報酬型の人材紹介サービス活用
コスト削減の注意点

コスト削減に取り組む際の注意点について解説します。
サービス品質を落とさない
極端なコスト削減を実施するあまりに、サービス品質を低下させてしまわないように注意する必要があります。例えば、電話対応をオペレーターからチャットボットに変更した場合、人件費は削減できるかもしれません。
しかし、商品の使い方がわからないとか、プラン変更ができないといった事態が頻発するようでは顧客満足度が低下し、業績や企業価値の低下にもつながりかねません。この場合は、有人対応との併用を考えたり、段階的に導入したりといった工夫が大切でしょう。
従業員のモチベーションを重視する
コスト削減は、多少なりとも社員に従来の習慣やビジネス手法の変更を促すことになります。それが会社への不満やモチベーション低下につながる恐れがあるので注意が必要です。現場の意見や反応をよく見ながら、限られたコスト削減方法に固執せず、手順や程度を考慮したり工夫したりして、柔軟な姿勢で臨むようにしましょう。
目的と手段を混同しない
いったん決めたコスト削減方法を是が非でも貫き通すという姿勢はおすすめできません。コスト削減は、あくまでも手段であり、目的は利益向上と社員への還元にあります。
したがって、コスト削減効果がどこまで創出できているのか、あるいは効果がないかなど、繰り返しPDCAサイクルを回しながら検証し、より良いやり方へとアップデートさせていくことを忘れてはなりません。
まとめ
企業が発展するためには、コスト削減が不可欠です。取り組みを開始する際は、戸惑いや不満を抱く社員が現れるかもしれません。しかし、効果が出れば、その先で給与や賞与をアップしたり、福利厚生を充実させたりして社員への還元が可能になります。
ただし、中途半端なやり方では満足のいく成果は望めません。社内のすべての部署に目を配り、実施してこそ利益向上に寄与するでしょう。そのためにも、まずは1円からという考えで完成度の高いコスト削減プランを作成し、少しでも社員の納得を得られる方法を模索してください。
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