
アウトソーシングとは?なぜ必要?導入の流れ、どの業務に使うべきか徹底解説!
各企業で業務効率化や人材不足解消、コスト削減に向けた取り組みとして、最近ではアウトソーシングの重要性が高まっています。アウトソーシングに向いている業務は、必ずしも社内で行う必要のない業務やルーティーンワーク等のノンコア業務です。この記事では、アウトソーシングを活用できる業務内容や、導入の流れを詳しく解説しています。
現在、業務上の問題点に対して業務改善に取り組んでいる企業はそれほど多くはありません。それが改善できるなら、顧客の価値創出や他社との違いを作り出し、差別化できて企業の利益を向上できるでしょう。アウトソーシングを活用して業務効率化を図りたい、現状の問題を解決したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
digsyではお客様を支援する高品質なアウトソーシングサービスを数多く提供し、お客様を伴走支援しています。業務のアウトソーシングをお考えなら、お気軽にご相談ください。
アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは、英語の「outsource」に由来する和製英語で、日本語でいうと「外部委託」といい、業務の一部を自社で行わず外部の企業に委託することです。しかし、これまでの業務内容をそのまま外部委託するだけでは、今までより費用がかさむだけで現状維持に留まります。
アウトソーシングには企業価値を維持・向上させるために外部リソースの活用の意味で使用されます。
なぜアウトソーシングは必要なのか

そもそもアウトソーシング導入が必要かは十分な熟慮が不可欠です。以下の内容が自社で当てはまるのであれば、導入を検討すべきでしょう。
- ヒト(人材)の領域に関する課題
- モノ(資源)の領域に関する課題
- カネ(資金)の領域に関する課題
それぞれの観点から詳細を解説します。
ヒト(人材)の領域に関する課題
人材の領域に関する課題は以下があります。
- 人手不足:業務遅延や品質低下の恐れがある
- スキル不足:新しい業務に必要な知識がなければ業務遂行は難しく、業務の品質や業務効率低下の恐れがある
- 教育やトレーニングコストの負担:人材育成にかかる時間や費用負担がある
ヒト(人材)の領域に関する課題解決のためにアウトソーシング導入は大変有効です。委託先は業務遂行の必要な知識を有した専門家がそろっているため、アウトソーシングすることで自社で行うよりも業務効率化や完成度が高いものが納品されるでしょう。
モノ(資源)の領域に関する課題
資源の領域に関する課題は以下があります。
- 設備や機材不足:必要な設備や機材が不足しており、業務の遅延や品質低下の恐れがある
- 材料調達コストの負担:材料調達コストが大きな負担となり、利益率が低下する恐れがある
- 生産ラインの改善:既存の生産ライン最適化に必要な技術やノウハウがないため、改善できず業務効率が低下する恐れがある
モノ(資源)の領域に関する問題を解決するために、アウトソーシングで生産設備や材料調達、生産ラインの改善を委託することで、より生産性が向上するでしょう。
カネ(資金)の領域に関する課題
資金の領域に関する課題は以下があります。
- コスト削減:業務効率化を図らなければ人件費がかかり、利益が増加しない
- キャッシュフローの改善:資金繰りの改善としてキャッシュフローの見直しが必要
- 投資効率の向上:効率的な資源配分を実施しなければ、収益悪化の恐れがある
カネ(資金)に関する業務の一部をアウトソーシングすることで、人権費や設備投資コストを削減できます。例として、決算書作成や税務処理、ITシステムの構築や運等の委託が可能です。業務の一部委託によっても専門家が行うことで業務効率と品質向上の相乗効果が得られるでしょう。
アウトソーシングのメリット、デメリットについてはこちらで詳しく説明します。
アウトソーシングの種類

アウトソーシングと一口で言っても以下のように様々な種類があります。
- BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
- ITO(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)
- KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)
- SPO(セールス・プロセス・アウトソーシング)
それぞれの特徴や違いを知り、自社に合った委託先を選びましょう。
BPO
BPOとは、「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略です。BPOは、業務全体を委託先の専門家に長期で委託することを指します。この手法は近年注目を集めており、プロに業務を一括で委託することで自社はコア業務に集中できコスト削減や利益増加に繋がります。業務例は以下があります。
- 給与・賞与計算
- 採用業務代行
- コールセンター業務等
ITO
ITOとは、「インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング」の略です。コンピューターやインターネット技術関連の業務委託を指します。上記で挙げたBPOの中のIT分野に特化した業務委託内容です。
現代は企業のIT化が日々進歩しており、自社のマンパワーやノウハウのみで対応しきれない場合は、ITOを利用することが有効な手段の1つと言えます。業務例は以下があります。
- 運用保守
- ヘルプデスク
- システムマネジメント
- RPA導入
KPO
KPOは「ナレッジ・プロセス・アウトソーシング」の略です。IT化が進むにつれて、企業は取得した大量のデータを分析し、事業に活用する必要に迫られています。膨大なデータを分析するには専門的な知識が必要となり、どの社員にでも気軽に任せられるものではありません。
データ分析等の価値創造や知的生産に関する業務をKPOと言います。KPOすることは、他のアウトソーシングのようなコスト削減目的ではなく、データを正しく分析して得られた推測やニーズの把握に利用して、そこから新たな高付加価値を生み出すことが導入目的です。業務例は以下があります。
- データ分析
- マーケティング
- 顧客管理・分析
SPO
SPOとは「セールス・プロセス・アウトソーシング」の略です。セールスなので、営業活動のアウトソーシングを指します。従来の対面営業以外にも電話によるインサイドセールス、営業事務もSPOの対象です。
営業の社員も製品開発やマーケティングに参加させてより特化したい、そのために営業を外注したい場合に役立ちます。業務例は以下があります。
- フィールドセールス
- インサイドセールス
- 営業事務
- 問い合わせ対応
digsyではお客様を支援する高品質なアウトソーシングサービスを数多く提供し、お客様を伴走支援しています。業務のアウトソーシングをお考えなら、お気軽にご相談ください。
アウトソーシング導入に向いている業務とは?

実際の業務でアウトソーシングが向いている業務は以下の4つの業務が挙げられます。
- 労務管理業務
- 採用業務
- 経理業務
- IT業務
それぞれの詳細を解説します。
労務管理業務
給与計算等の労務管理業務全般をBPOすることで、人事の業務負担が軽減できます。特に新規採用や雇用管理は従業員が多くなるほど、煩雑で負担が増し業務ミスに繋がります。
雇用管理等のルーティンワークに時間を割いていては、本来すべき業務にかける時間が減少します。ルーティンワークはアウトソーシングと相性がよく、専門家に委託することで自社でしか行えない業務に集中することが可能になります。
採用業務
採用業務は以下の2種類があります。
- 一部をアウトソーシングする方法
- 業務全般をアウトソーシングする
BPOの中でも採用業務に特化したアウトソーシングをRPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)と言います。面接者とのやり取りから面接スケジュール調整や内定者フォローなどの採用に関する業務を一貫して委託することが可能です。
経理業務
経理業務には月次の記帳業務や年末調整、決算書作成等の専門スキルが必要な業務が数多くあります。そのため、経理業務をアウトソーシングすることで、コスト削減や業務負荷軽減になるでしょう。
専門スキルを有した人材確保が難しい中、採用できても育成に時間がかかる等の負担がかかることが予想されます。専門スキルを持った委託先を選定することで、人手不足から解消されます。
IT業務
ITOで挙げたシステム保守や運用、ヘルプデスク等の業務はITに関する専門家のいる委託先を選ぶことが重要です。そうすることで、問い合わせ業務等の突発的な業務が重なっても待たせることなく対応可能になります。
企業の情報システムは人手不足であることが多く、1人の社員が複数の業務を兼務している状況が多く発生しています。ITOをすれば、自社の担当が1人でも人数に左右されずに安定して業務が遂行できるでしょう。
アウトソーシング導入の流れ

アウトソーシング導入に向けた流れは、大きく以下の4つに分けられます。
- 業務委託目的の明確化
- 業務範囲の明確化
- RFP(提案依頼書)作成
- 受託者選定
それぞれのステップを詳しく解説します。
業務委託目的の明確化
アウトソーシング導入に向けて、まずすべきことは業務委託の目的を明確化させることです。社内や組織内で目的が曖昧なまま導入を進めると、従業員ごとに導入過程での判断基準が異なったり個人間での解釈の違いが生まれたりして齟齬が生じ、結果として円滑に導入を進めることが難しくなります。導入前の打ち合わせで、導入目的や成功状態をよく共有しておくことが大切です。
業務範囲の明確化
次に、委託する業務内容の一覧や業務範囲を具体的に細かく列挙します。この時に業務範囲が曖昧な点や業務の取り組み方法が人によって違う場合は、詳細な聞き取りや業務内容の統一を図ることが大切です。組織内で業務全体の流れを再確認することで委託内容の抜けや漏れ防止になります。
RFP(提案依頼書)作成
アウトソーシング先への業務委託内容の整理が終わったら、委託先選定のためにRFP(提案依頼書)を作成します。依頼を受ける(アウトソーシングを引き受ける)会社は、1件あたりの作業時間や処理件数等の条件を確認し、諸条件に必要な人員、費用を算出して提案書や見積書を提出します。
委託先にRFPを提出する前に、社内での評価基準を設けておくことがとても大切です。費用が安いほうがいいか処理件数が多いほうがいいか、委託先を決めるうえで優先順位が高い項目を明確にしておくことで、社内の意思決定を早め導入をスムーズにでき、最適な業者を選ぶことができるでしょう。
受託者選定
RFPを作成し、受託者の選定を行います。アウトソーシング先を選定できたら契約を締結し、受託者と協議しながら運用開始までの準備と手続きを進めましょう。
アウトソーシングの成功事例

これまでに紹介した方法を用いてアウトソーシングを導入し、目的を達成した企業を3つ紹介します。実際の導入事例から自社の導入の参考にしましょう。
AIRDO
AIRDOでは、給与計算業務をアウトソーシングしています。アウトソーシングを導入する以前は職種ごとに賃金構成が異なるため、毎月の給与計算業務に多くの時間を取られ、他の業務が停滞していました。しかし、アウトソーシング導入後は給与計算に関する煩雑な業務がなくなり、その他のコア業務に専念できるようになりました。
ベネッセコーポレーション
ベネッセコーポレーションでは、複数の制作・運用会社がそれぞれでWebサイトを運営しており、各サイトごとに業務フローや品質のばらつきが発生していました。Webサイトごとに対応方法が異なるため、自社の運用方法が適応できず対応数が増加して、担当者への負担が大きくのしかかっていました。
そこで、1つの委託業者にアウトソーシングすることで、業務フローや品質管理の集約化が可能となり業務効率化と品質向上に成功しました。
大塚製薬
大塚製薬では、「医薬品安全性監視」という専門性の高い業務を自社の派遣スタッフで担っていました。しかし、派遣スタッフを管理する負担が大きいという現場の声を聴き、派遣スタッフの業務内容に加えて社員が担っていた業務の一部もアウトソーシングしました。
導入後は、社員の業務効率化が図れたこと、またコロナ渦でも在宅勤務の導入をスムーズに行えたことがメリットとして挙げられます。
まとめ
人手不足により、自社社員が請け負える業務内容には限りがあります。既存業務の効率化を図ることで改善される事もありますが、人手不足を補えずすぐに限界が来るでしょう。社員の業務内容が定型業務で多くを占めていては、会社の成長に必要な業務へのリソースが割けず、今後の会社の成長は鈍化していくでしょう。
アウトソーシングを導入することで、社員の負担軽減やコア業務への時間を捻出でき、会社の利益向上や社員の働き方を良い方向へ導けます。人手不足や業務改善を解決するために自社に合ったアウトソーシングを導入し、働き方を見直しましょう。
digsyではお客様を支援する高品質なアウトソーシングサービスを数多く提供し、お客様を伴走支援しています。業務のアウトソーシングをお考えなら、お気軽にご相談ください。