
アウトソーシングと派遣の違いとは?メリット・デメリットや派遣法の内容も解説!
自社で全ての業務を行わず、業務の一部あるいは全てを外部委託している企業が増えています。しかし導入経験がなければ、どこに委託していいか・委託先では何ができるかが分からず導入を進められないかもしれません。
この記事では、委託方法としてメジャーであるアウトソーシングと派遣の違い、メリットとデメリットについて解説しています。アウトソーシングと派遣の違いが分かることで、自社に合った委託先を選べるようになります。外部委託化を進めるための参考にしてください。
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Contents
アウトソーシングと人材派遣の違い

アウトソーシングと派遣は業務を委託するという共通点があり、似たようなものと考える方がいますが、実際は全く異なります。ここでは、以下の3つの違いについて説明します。
- 業務遂行方法
- 対価の発生方式
- 業務指示の方法
業務遂行方法
アウトソーシングは業務全体を委託先へ任せる手法です。自社では委託先の業務管理や指示出し等の管理業務を行うため委託業務への責任を負いますが、委託された会社が業務の一連を行うため実際に業務を行うことはありません。
しかし、人材派遣は人材派遣会社から自社に適性のある人材を紹介してもらい自社で働きます。そのため就業時間の指定や業務遂行等を含めた業務管理を全て自社で管理しなければなりません。したがって、派遣社員の仕事の成果に対する責任は人材派遣会社ではなく、自社で負うことになります。
対価の発生方式
アウトソーシングでは、対価は成果で決まります。契約の多くは、業務1つあるいは業務による成果につきいくら支払うという形が採用されています。自社では業務単位で対価を支払うため、委託先の社員がたとえ目安時間を超過していても契約内容に明記していなければ、超えた分の人件費を支払う必要はありません。
しかし、人材派遣では自社で派遣社員が働いているため、働いた日数や時間に応じて賃金の支払いをしなければなりません。残業していれば、残業代を支払う義務があります。
業務指示の方法
アウトソーシングは業務全体を委託先へ任せます。そのため、業務対応に必要な人員確保や配置数の決定、業務体制や指揮系統は委託先に一任します。
一方、人材派遣は派遣社員と直接の雇用関係を結んでいませんが、自社で働くがゆえに派遣社員の勤怠管理に加えて業務内容も自社で行う必要があります。そのため、派遣社員を管理する人材が必要となります。
アウトソーシングのメリット

アウトソーシングするメリットは以下があります。
- 業務負荷軽減と経営資源の最適化
- 外部のノウハウを活用した品質向上
- 業務量の変動が大きい業務への対応
- 業務量の変動が大きい業務への対応
それぞれの詳細を解説します。
業務負荷軽減と経営資源の最適化
社内の定型業務をアウトソーシングすることで、自社社員の業務工数が削減され負担が軽減されます。委託した業務の担当者の採用から育成までの一連の流れを委託できるため、業務管理の工数削減も見込めるでしょう。これまで定型業務や管理業務に充てていたリソースをコア業務に充てることで人的資源の最適化に繋がります。
外部のノウハウを活用した品質向上
アウトソーシングのメリットとしては、委託先が専門性に特化した集団ということです。自社で業務を担うことももちろん可能でしょう。しかし、プロに任せることで仕事の質が上がり、自社社員のリソースをコア業務に充てることができ、生産性の向上が期待できます。
業務量の変動が大きい業務への対応
繁閑期の差が大きい業務を自社で行うと、繁忙期へ向けて人手が不足しないように人材採用や育成に力を入れます。しかし繁忙期が過ぎると人材が過剰となるため、人件費が会社として負担になるでしょう。アウトソーシングすると、委託先が業務量に応じて人材等の調整をしてくれるため運用が適正化されます。
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アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングすることによるデメリットは以下があります。
- 情報漏洩のリスクがある
- 社内にスキル・ノウハウが蓄積されない
それぞれの詳細を解説します。
情報漏洩のリスクがある
アウトソーシング先でも情報漏洩防止のルールが決められていますが、流出してしまう可能性は自社よりも高まります。委託先がサーバー攻撃を受けた場合は、企業機密等の重要な情報が流出するでしょう。もし、情報が流出した場合委託元企業は委託先へ賠償問題等の裁判沙汰に発展することがあります。
たとえ、委託元企業が勝訴し委託先から賠償金が支払われても、委託元企業の社会的信頼はすぐに回復できないため、利益は落ちる可能性が高いでしょう。他の委託先を探すコストがかかり、委託先が見つかるまでの業務遂行の問題が発生し、想定外の状況に陥る可能性があります。
社内にスキル・ノウハウが蓄積されない
今は予算や人材不足で運用できなくても将来は社内で行いたい業務を一時的にアウトソーシングしたい場合はアウトソーシングには向きません。アウトソーシングすることで業務全体を委託先に一任してしまうため、自社では業務に関する知識やノウハウが蓄積できず、人材育成ができないからです。
派遣のメリット

派遣を利用するメリットは以下があります。
- 必要な期間だけ活用できる
- 業務管理がしやすい
- 情報漏洩のリスクを軽減できる
それぞれの詳細を解説します。
必要な期間だけ活用できる
繁閑期の業務量の差が大きい業務の場合、繁忙期の人材が不足する時期だけ派遣スタッフを受け入れ、閑散期で人員調整することが可能です。時期だけでなく、日ごとの一時的な欠員補充でも活用でき、自社の状況に合わせて必要な数だけ人員を揃えられます。
業務管理がしやすい
派遣社員は派遣先で業務に従事するため、指揮命令権は派遣先にあります。指示出しや労働時間の管理は必要ですが、派遣社員と直接コミュニケーションを取りながら業務を進められるため、業務管理を細かく行うことができる点は大きなメリットです。
情報漏洩のリスクを軽減できる
派遣社員が請け負う業務内容やセキュリティ面を精査し、業務を一任することができます。そのため、アウトソーシングと比較して情報漏洩のリスクは低くなるでしょう。
派遣のデメリット

派遣を利用するデメリットは以下があります。
- 派遣社員を指名できない
- 派遣期間に上限がある
- 業務内容に制限がある
それぞれの詳細を解説します。
派遣社員を指名できない
派遣元である人材派遣会社と雇用契約を結んでおり、自社が派遣社員との直接雇用契約を結んでいないため、自社へ派遣するスタッフを選択できません。これは労働者派遣法によって定められており、派遣先企業は人材のリクエストは派遣元企業へ打診できますが、派遣元で決定した人材を採用する必要があります。
派遣期間に上限がある
派遣社員の受け入れ期間は以下の2パターンがあります。
- 事業所単位
- 個人単位
派遣期間には上限があります。事業所単位では、派遣社員の受け入れは原則3年となっていますが、期間を延長することもできます。個人単位の場合、4年目以降は同じ課で働くことはできません。同じ会社で継続したい場合は部署変更が必要です。
業務内容に制限がある
派遣社員は労働者派遣法と施行令によって禁止されている業務があります。以下が派遣社員が禁止されている業務になります。
- 港湾運送業
- 建設業務
- 警備業務
- 医療関係業務
- いわゆる「士」の業務(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士など)
- 人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉又は労働基準法に規定する協定の締結などのための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務
アウトソーシングと人材派遣のどちらがいいのか?

自社での導入を考える際に考えるべきポイントは以下の4点です。
- 定型業務があるか
- イレギュラー対応の発生頻度
- 導入前の費用比較や業務切り分けが重要
- 契約書に記載されていない業務は任せられない
それぞれのポイントを詳しく説明します。
定型業務があるか
すでに自社で決まったマニュアルや作業手順が明確化されているような定型業務の場合、プロであるアウトソーシング先に任せるとよいでしょう。自社のマニュアルや手順を基にアウトソーシング会社がさらに業務改善をしながら業務を進めるため、コストパフォーマンス向上と業務改善が実現できます。
イレギュラー対応の発生頻度
イレギュラー業務は突発的で対応に時間がかかりがちです。さらに時間の余裕がなくすぐに判断しなければならない場合、アウトソーシングでは、委託先の社員へ細やかな指示を出すことは難しいでしょう。派遣社員であれば現場で直接指示を出せるため対応スピードが早まり、解決までの時間が短くなるでしょう。
導入前の費用比較や業務切り分けが重要
導入前には費用の比較と業務の切り分けがとても重要になります。費用比較とは、委託を考えている業務を自社で行った場合と外部へ委託した場合でのコストを比較することです。委託する業務量や内容によっては自社で運用するよりもコストがかかる可能性もあります。
業務切り分けとは、委託する業務と委託せずに自社で行う業務を適切かつ明確に切り分けて置くことです。業務内容をどこまで委託するかを明確化し自社内で共有していないと、かえって業務の非効率化を招く恐れがあります。
契約書に記載されていない業務は任せられない
アウトソーシングでは業務内容全体を委託するた作業の詳細を記載することはありません。必要な作業であれば、契約範囲となり業務を遂行してもらえます。
しかし、派遣社員は契約以外の業務に従事させると契約違反となり、最悪の場合は派遣会社との契約が切れる可能性があります。そのため、派遣社員に将来的に任せたい業務が決まっている場合は契約書に記載しておく必要があります。契約中に記載していない業務を任せたい、契約変更したい場合は人材派遣会社へ相談しましょう。
詳しくは、アウトソーシングとは?なぜ必要?導入の流れ、どの業務に使うべきか徹底解説!で詳しく説明しているので、ぜひご参照ください。
派遣導入時の注意点

派遣を導入する場合は労働者派遣法(以下、派遣法)の改正に注意しなければなりません。派遣法は派遣労働者の保護を目的とした法律です。
派遣法のルール
派遣法のルールとしては、以下が近年改正された内容です。
- 同じ職場での3年を超えての雇用禁止
- 同一労働同一賃金への待遇改善
- 通勤費の支給
- 派遣社員の苦情処理を派遣先と派遣元が協力して対応する
- 日雇派遣を契約解除した時の休業手当支払い
法改正後の注意点
近年では、働き方改革として派遣労働者と正社員の賃金格差是正や福利厚生を同水準に引き上げる動きが活発化しています。これまで、正社員と同じ仕事をしているのに給料が異なり、待遇差が生じていることが問題視されていました。
派遣社員も同一労働同一賃金での労働で働けるよう法改正が行われ、2020年4月1日より施行されています。格差是正に向けて今後も活発に法改正されることが予想され、派遣法の改正があった際には自社と派遣元の契約が法律に違反していないか随時確認が必要です。
派遣期間中に契約解除はできるのか?
派遣期間中でもやむをえない事情がある場合は、契約期間中であっても契約を解除することは法的には可能です。しかし、契約解除にあたり派遣社員は派遣先企業と派遣元企業に対して、合理的な理由を説明する必要があります。
まとめ
アウトソーシングや派遣へ自社の業務を任せることで、業務改善を図れるでしょう。今後はさらに人手不足が進み、社員の業務負担が増えていくことが考えられます。外部に委託することで、業務の質が改善するだけでなく、コスト削減やコア業務への従事が可能となります。
双方のメリットデメリットを理解して、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。アウトソーシングや派遣の導入を検討して、会社の生産性をさらに上げていきましょう。
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